当事務所が大切にしていること

 現在、保育士の賃金水準は全職種平均、ひいては他の福祉職平均と比べても依然低いままです。いっぽうで、日々子どもたちを前にしていると、ともすれば「この子たちのため」と自分に言い聞かせ、長時間労働、休日労働、有休未消化、その結果としての心身の不調…という働き方が常態化している例も少なくありません。周囲の先生たちが同じ状況であればなおのこと、です。しかしながら、これらの問題は待っていても解決するものではないということも、また事実です。現場の全保育スタッフと事業者を公平・公正に規律する「働くためのルール」をともに築き上げることが、いわゆる“感情労働”としてではなく、効率よく誰もが気持ちよく働くことができる職場づくりへの近道です。

 また、昨今“インクルーシブ保育”実践が注目されていますが、私はそれを、保育をする側＝労働者側の多様性（ダイバーシティ）にも拡張して実践すべきだと考えています。子どもたちの多様性を認めるのと同じように、働く大人たちの側にも多様性を認め、障がい者や高齢者、外国人、最近ではいわゆるＬＧＢＴや難治性疾患を抱えた方も、労働市場において配慮が不足していることが指摘されており、保育実践において可能な範囲・方法での労働参加を提案してまいります。

 そして最後の「エンパワーメント」とは、日本語で「人間が本来個々に持っている力（=power）を引き出す（=en）」ことを指します。「園」の支「援」を通じて、いくつもの「縁」が「円」のように広がり、個々に関わった保育事業者様の実践が日本全国に伝わっていくことで、保育業界全体の発展・保育士のさらなる地位向上・子どもたちの豊かな未来に貢献します。＊当事務所ロゴデザインのキーコンセプトにもなっています＊

 保育士が高い公益性のもとに営まれる福祉の担い手であるのと同じように、我々社会保険労務士も高い倫理性をもって業務を全うすることが求められます。違法・脱法行為については是正を求め、そのような依頼はすべてお断りさせていただきます。

 また同時に、公平・公正・誠実に、信義にもとづいた行動が常に求められ、労使のいずれかにとって一方的に有利あるいは不利になるような助言はいたしません。また、そのような前提に立つ依頼はすべてお断りさせていただきます。

 業務上、事業の機密や職員のみなさまの高度な個人情報を取り扱う者として、各事業者様との信頼関係は他の職種に増して重要です。たとえスポット契約や遠方からの依頼であっても、可能な限り対面コミュニケーションの機会を設け、双方にとって安全・安心な取引をお約束します。また、顧問契約であっても計画的・段階的なご提案を通じて、社会保険労務士の枠にとどまらない“本当に頼れる”パートナーであり続けます。